皆様、こんにちは。
日本全国、それぞれの地域に、地元の味……歴史がありますよね。
今回、私……ちょっと気合を入れて、少し真面目にお話しさせていただきたいと思います。じゃあ、いつもはどうなんだ……って(^_^;)
大変、長い記事となっておりますが、お付き合いいただけると嬉しいですm(__)m
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1945年(昭和20年)8月……
日本は終戦を迎えました。
この戦争で、ここ富山市も相当な被害を受けております。
『富山大空襲』
1945年(昭和20年)8月1日から8月2日にかけてアメリカ軍が富山県の富山市に対して行った空襲である。
軍需工場ではなく市街地に対して空襲が行われ、
広島、長崎への原子爆弾投下を除く地方都市への空襲としては最も被害が大きかった。
Wikipediaより抜粋
富山市に投下された爆弾は12,740発。
米軍が設定した富山市中心部の目標地域の99.5%を破壊しました。
当時の写真なんかをネットとかで見ると、もう一面焼け野原……
死者は2,719人と言われています。 (資料によって多少前後あります)
ほとんどの建物は倒壊したのですが、わずかながら残った建物もあります。
そうそう『富山県庁舎』……これ残ってまして、いまだに普通に役所として使われています。
石造りの階段などがあって、歴史を感じるとても重厚な雰囲気だったりします。
……
さて、ここから富山の復興が始まります。
少しずつですが……でも、着実に建物が増え整備されていくのです。
そして2年後、昭和22年のこと……
ここ富山市に高橋青幹という人がいました。
復興のため、たくさんの労働者が富山市中心部に集まってきます。
その労働者の姿を見て、高橋氏はあることを思いつくのです。
連日の大変な作業……その労働者たちが毎日食べるお昼ご飯……
そうだ!
おにぎりなどの白飯さえあれば、あとは、おかずになる中華そばを作ろう!、と……
じゃあ、どんな味にすればいいのか?
・汗をかく労働者の塩分補給のため、塩っ辛い濃い味付け
・食べ応えのある手切りのチャーシュー
・そして、ストレートの太麺
こうしてここに、私が愛してやまない(笑)、一つの中華そばが誕生したのです!!!
前置きが長くなってしまいました(・_・;)……では早速、そのお店に行ってみましょう。
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じゃ~~~~~~ん!!!!
これが、その店……『大喜(たいき)』です。
富山の中心市街地、『西町(にしちょう)』にあります。
このあたりは、再開発などで、どんどん様変わりしていってますが、この店は昔から全然変わってません(笑)
ちなみに、創業者の高橋氏はもう引退され、今現在は別の方が経営しておられます。
私……この店に初めてきたのは高校生の時でした。
それ以来ずっと食べ続けています……昔は週に一回、今は月に一回ぐらいだけど……
この店を初めて見た皆様からすると、昔からある、ちっぽけな寂れたラーメン屋ぐらいにしか見えないと思います。
しかし!
この店……富山において、他県の人には想像もつかないくらいの知名度を誇ります!
富山に住んでて、この店を知らないとしたら、それは絶対モグリです(笑)
『大喜』……昔は当然この一店だけだったんですが、
今では、富山市内に、ここから暖簾分けした『大喜』が数店あります。
そうそう、富山のラーメンといえば……
『富山ブラック』という言葉があります。
これは、大喜だけのことを言ってるわけではなく、スープが黒くて濃い味のラーメンのことを言います。
なので、他の店でも似たような見た目のラーメンがありますが、
それらの流れは、この店……大喜なくしてはありえません。
東京では毎年、東京ラーメンショーなるイベントがあります。
富山の、あるラーメン店が富山ブラックとうたった醤油ラーメンで、2009・2010・2011・2012・2014年と、
5回も優勝してるらしいので、『富山ブラック』という言葉を御存知の方もおられるかもしれませんね。
ですが、私……この『富山ブラック』という言葉は好きではありません。
なんというか、その軽いノリ……チャラい感じ……いかにも宣伝のための言葉っていう印象……
私は、思うのです。
そんな言葉一つで、この大喜のラーメンを表現してほしくない!
まして、ブラック系をウリにしている他の店や、『富山ブラック』という言葉が浸透しだしてから、
ブラック系のラーメンを置くようになった他の店とは、一括りにしてほしくないのです!!!
……
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すみません……皆様を置き去りにして、一人テンション高く力説してしまいました(・_・;)
『グダグダ言っとらんと、さっさと店に入れや~~』という声が聞こえたような気がしたので、
さっさと、お店の中に入りたいと思います。
細長い店内、両側の壁にカウンターのみ……テーブル席はありません。
壁には浮世絵が掛かっています。
画面中央のガラス戸の中には、古い手書きの日本地図が入っています、見てると面白いです。
では、席に座ります。
目の前にはサインが……
『クマムシ』『ももいろクローバーZ』『中尾明慶』
さらにサインが続きます。
『スキマスイッチ』『宮根誠司』『友近』『益若つばさ』『菊池あみ』『大泉洋』『ルー大柴』『スギちゃん』……
昔は、こんなのは無かったんです……いつのまにやら、こうしてサインが飾られるようになりました。
でも、私に言わせれば、この店のことは、サインが無くても、みんな知ってます。
逆に知らない人は、いきなりフラッとこの店には入らないと思います。
そもそも、芸能人のサインがあるからといって、その店が美味いという保証なんかありませんもんね。
ただ、この芸能人の方々が、この店を知ってるわけも無いですから、
富山に来られたとき、地元のテレビ局の人などに、連れてきてもらったということなんでしょう。
ということは、ここ富山の人間が、他の県の方を迎えて、地元の何か食べるもの……
ラーメンだったらここ!……と思いつくのが、この『大喜』……という解釈で良いと思います。
二つ折りのカード……これも昔は無かったものです。
広げると……
この店のことが、いろいろ説明されています。
右半分には、この店の歴史。
左のページにいくと、麺・スープ・具の説明。
『三位一体 まず混ぜよ』なんてエラソーに書いてありますが、これは無視していいです……私が許可します(笑)
食べ方なんて、人の自由……好きなように食べましょう。
メニューです。
ラーメンの種類は、『中華そば』……これ一つです。
大きさが3種類。
・小(並)……これが普通の量です。
・大………小の1.5倍
・特大……小の2倍
私、長年に渡り通ってますが、特大は食べたこと無いです(・_・;) いつも『小』か『大』……
昔、高校生の頃……『小』は500円でした。
ちなみに、その頃の『寿がきや』のラーメンは190円。
なので当時の私にとっては、この大喜のラーメンは贅沢品でした(笑)
……
さぁ、来ました!
これが『大喜』のラーメン『小』です。
このラーメンを目の前にすると、唾液が出てくる(@_@;)……もはや『パブロフの犬』状態です(爆)
・スープ……塩っ辛いというか、醤油辛いというか……
しかし、奇をてらった味では決してない……その塩っ辛さの向こうにはしっかりとした旨味があります。
・チャーシュー……硬めで食べ応えがあります、まさに『今、俺は肉を食ってるぞ』って感じ。
・ネギ……ザックリ切ってあるので、スープの味に負けず、存在感があります。
・メンマ……ホント塩っぱい、これだけでご飯が食べれます。
・粗挽き黒こしょう……最初から、かかっています。嫌いな人は最初に『こしょう抜き』って頼みましょう。
でも、このラーメンは黒こしょうが入ってこそ、味が完成してると思います。
・ストレートの太麺……ちぢれ麺とは違い、ストレート麺は麺同士がくっつく面積が大きいので、
毛細管現象により、たくさんのスープが麺に絡んで、口に入ります。
そういう点でも、より濃い味を感じやすく、それが食べ応え……満足感につながっていると思います。
……
富山の歴史と共に歩んできたこのラーメン。
私の人生のページにも、幾度となく登場してきました。
この味……どんな酷い二日酔いでも、この刺激的な味でしっかり食べることが出来ました(笑)
そう……私にとって、これは単なる『ラーメン』ではない。
これは『大喜のラーメン』という、いわゆるラーメンとは別の食べ物なのだ!(爆)
仕事で時間が無いときもパッと食べれるし、体調が悪くても美味しく食べてこれた。
その満足感……本当に感謝してるよ。
今までありがとう……そして、これからも宜しく頼む。
……
…
おっさんの独り言……そして長い記事となりましたが、
最後まで見ていただき、本当にありがとうございました m(_ _)m